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『それから』紹介と感想:働かない代助の立場

作品:それから作者:夏目漱石投稿日:

『それから』は、親の援助で暮らす代助が、友人の妻である三千代への思いと向き合う小説だ。整えられた生活と鋭い社会批評の下で、彼自身の選択を先延ばしにしてきた時間が動き始める。代助の社会への批評には頷ける部分があるが、その言葉を支える暮らしの条件も気になる。仕事から距離を取れるのは、家族の援助があるからだ。だからといって批評がすべて無効になるわけではなく、正しい指摘と自分の依存が同居するところが面白い。語る内容だけで人物を判断せず、誰のおかげでその場所に立てるのかを見ると、代助の輪郭が複雑になる。考える力があることと、その考えに生活を合わせられることは違う。代助に共感しながらも、彼を支える人や選択の影響を受ける人へ視線を戻したくなる作品だった。