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『それから』紹介と感想:三千代の沈黙を考える

作品:それから作者:夏目漱石投稿日:

『それから』は、親の援助で暮らす代助が、友人の妻である三千代への思いと向き合う小説だ。整えられた生活と鋭い社会批評の下で、彼自身の選択を先延ばしにしてきた時間が動き始める。代助の考えを追うほど、三千代が置かれた生活の重みを忘れないようにしたいと思った。恋愛の決断は二人に関わるが、失うものや選べる道が同じとは限らない。彼女の言葉が少ない場面でも、何も感じていないわけではない。沈黙を代助の理想で埋めずに読むことが必要だろう。愛情を自覚する物語の中で、相手の現実をどこまで見られるかという問いが残った。考える力があることと、その考えに生活を合わせられることは違う。代助に共感しながらも、彼を支える人や選択の影響を受ける人へ視線を戻したくなる作品だった。