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『それから』紹介と感想:決断の先に開く不安

作品:それから作者:夏目漱石投稿日:

『それから』は、親の援助で暮らす代助が、友人の妻である三千代への思いと向き合う小説だ。整えられた生活と鋭い社会批評の下で、彼自身の選択を先延ばしにしてきた時間が動き始める。代助が思いを引き受けようとするとき、物語は安心できる未来を用意しない。自分の気持ちに正直になることは大切でも、それで生活の問題が消えるわけではないからだ。決断を物語の完成として扱わず、その後へ不安を残すところが強い。題名を読み直すと、決めるまでより決めた後の時間が重く響く。覚悟という言葉の中に、まだ何も解決していない現実がある。考える力があることと、その考えに生活を合わせられることは違う。代助に共感しながらも、彼を支える人や選択の影響を受ける人へ視線を戻したくなる作品だった。