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『人間失格』紹介と感想:葉蔵のそばにいる人々

作品:人間失格作者:太宰治投稿日:

『人間失格』は、大庭葉蔵の手記を中心に、人との関わりへの恐れと、自分を演じる苦しさを描く小説だ。強い自己否定の言葉に引き込まれるが、それを人物のすべてと見なしてよいかは考え続けたい。主人公の苦しさに集中して読むと、そばにいる女性や友人が彼を支える役割だけに見えてしまう。しかし、それぞれにも生活と感情がある。葉蔵の弱さを理解することは、その人たちの傷を小さくする理由にはならない。視線を周辺へ動かすと、一人の孤独の物語が複数の生活の絡まりとして現れる。語り手が十分に見ていないものを想像する読書も必要だと感じた。葉蔵の言葉に近づくほど、その言葉から少し離れる視点も必要になる。理解できる痛みと、他者に及ぼした影響を並べることで、単なる共感や断罪を越えた読みができるように思う。