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『雪国』紹介と感想:終盤の光景が残すもの

作品:雪国作者:川端康成投稿日:

『雪国』は、雪深い温泉地を訪れる島村と、そこで生きる駒子や葉子との関係を描く小説だ。風景と人の姿が鋭く結びつく一方、眺める者と暮らす者の距離がつねに気にかかる。終盤では、目を引く光景と人間の出来事が強く重なり、読み手も言葉を失うような感覚になる。美しさが苦しみを遠ざけるのか、それとも鋭く感じさせるのか、簡単には決められない。筋の決着を求める読み方から、像の余韻にとどまる読み方へ移されるのだろう。最後まで島村の見る位置を気にしながら読むと、感動の中にも落ち着かなさが残った。美しい描写へ惹かれたあとで、その美を誰の視線から見ていたのかを考えたくなる。雪景色の静けさと、そこで生きる人の熱が溶け合い切らないところに強い余韻がある。