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『コンビニ人間』紹介と感想:店の音を聞く主人公

作品:コンビニ人間作者:村田沙耶香投稿日:

『コンビニ人間』は、コンビニで長く働く古倉恵子を主人公に、周囲が求める普通と、本人にとっての暮らしやすさを描く小説だ。見慣れた店の動きが、一人の生活を支える秩序として立ち上がる。恵子にとって店は、商品を売るだけの場所ではなく、何をすべきかが音や動きからわかる環境である。周囲との関わりが明確になることで、自分の身体もその場に合って動く。これを窮屈さと感じる人もいれば、安心と感じる人もいるだろう。店の秩序を一方的に冷たいものと決めず、本人にどう働いているかを見ると、見慣れた空間の見え方が変わる。恵子を理解できるかと考えるうちに、他人の生を測っている自分の基準も見えてくる。働き方や人生の型を当然とする会話を、少し立ち止まって聞き直したくなる作品だった。(作品情報:文藝春秋