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『コンビニ人間』紹介と感想:普通を求める会話の圧力

作品:コンビニ人間作者:村田沙耶香投稿日:

『コンビニ人間』は、コンビニで長く働く古倉恵子を主人公に、周囲が求める普通と、本人にとっての暮らしやすさを描く小説だ。見慣れた店の動きが、一人の生活を支える秩序として立ち上がる。周囲は恵子の将来を心配するが、その心配には望ましい人生の型が含まれている。働き続けている現在より、結婚や別の仕事へ進むことが説明として求められるのだ。善意の会話が、本人の生活を不足したものとして扱う点に落ち着かなさを感じた。相手を理解したいのか、理解できる形に変えたいのか。その違いを、日常の何気ない質問から考えさせられる。恵子を理解できるかと考えるうちに、他人の生を測っている自分の基準も見えてくる。働き方や人生の型を当然とする会話を、少し立ち止まって聞き直したくなる作品だった。(作品情報:文藝春秋