『コンビニ人間』紹介と感想:白羽との関係を考える
『コンビニ人間』は、コンビニで長く働く古倉恵子を主人公に、周囲が求める普通と、本人にとっての暮らしやすさを描く小説だ。見慣れた店の動きが、一人の生活を支える秩序として立ち上がる。白羽と恵子は、ともに周囲の期待へうまく収まらない面を持つが、だから互いを理解し合えるとは限らない。社会への不満が似ていても、相手に求める役割が違うからだ。型から外れた人同士なら自由な関係ができる、という期待が揺さぶられる。恵子が何を望み、何を外から説明されているかを分けて読むと、この関係の可笑しさと不均衡が見えてくる。恵子を理解できるかと考えるうちに、他人の生を測っている自分の基準も見えてくる。働き方や人生の型を当然とする会話を、少し立ち止まって聞き直したくなる作品だった。(作品情報:文藝春秋)