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『推し、燃ゆ』紹介と感想:炎上を内側から見る

作品:推し、燃ゆ作者:宇佐見りん投稿日:

『推し、燃ゆ』は、アイドルを推すことを生活の支えにするあかりの物語だ。推しをめぐる騒動が、その人のニュースにとどまらず、応援する側の日常の足場まで揺らしていく。多くの人には流れていく話題でも、あかりには生活の中心に触れる出来事となる。ニュースの規模と個人への影響は同じものではない。騒動の是非を判定する視線から少し離れ、受け取る身体の側を描くところに作品の力を感じた。遠くの他人へ託した支えが揺れると、自分の足元まで変わる。その不安定さを、特定の趣味の人だけの問題としては読めなかった。好きなものがあることを単純に幸福とも逃避とも決められない。あかりの身体感覚に付き合うと、人が一日を生きるために何を必要としているかを、外から測る難しさが残る。(作品情報:河出書房新社